「アルケミスト 夢を旅した少年」を読みました
わたしの人生観に影響を与える一冊となりました。
本当は日本を経つ飛行機で読むつもりにしていたのですが、あの時は緊張でソワソワしていたので、読書といった気分ではありませんでした。😇 少し前に10日間のテント旅に出かけた際、なんとなく今が読みどきかもしれないと思い、Kindleを開くことにしました。(本当は紙の本が好きなんだけど重たくなっちゃうので)
心に残った言葉たち
羊飼いになった男の子が、自分の宝物を探しに旅に出るお話です。彼は旅の途中で出会った人や出来事から、色んなことを学んでいきます。彼の視点はときに鋭く、どきっとするようなものもありました。
わたしもまた母国を遠く離れている身のため、いたく胸に響きました。厳選して三つ、引用します。
今まで慣れ親しんできたものと、これから欲しいと思っていること
彼は今まで慣れ親しんできたものと、これから欲しいと思っていることのどちらかを、選択しなければならなかった。
自分をしばっているのは自分だけだった。羊たちも、商人の娘も、アンダルシアの平原も、彼の運命への道筋にあるステップに過ぎなかった。
ほんとそうなんだよな〜〜〜〜と思って涙が出ました。
好きだった職場や土地、家族と離れて異国の地にやってきて「楽しいけど切ない」という気持ちになることがあります。テクノロジーが進化した世の中で良かったです。一昔前であれば、今生の別れの覚悟が必要だったはずですから。
それでもやはり、慣れ親しんだ場所や人との時間というのはかけがえがないものなんですよね。いるときは少し退屈に思ったりもするのだけど。😂
根っこを切り取られた植物のように感じることがあります。悲観しているわけではなくて、いい痛みです。デンマークの水を飲み、光を浴びて、また新しい根を生やすのだと思います。
太陽が登るというような、毎日起こっているすばらしいこと
毎日が次の日と同じだということは、太陽が登るというような、毎日起こっているすばらしいことに、気がつかないからなのだ。
テントを担いで旅をしている間、たくさん雨に打たれました。轟々と降る夜もありました。そして太陽が出たら、深く感謝しました。服やテントを乾かしながらあったかいお茶を飲み、とても幸せな気持ちに包まれました。
わたしはどうして、この素晴らしい気持ちを忘れてしまうんでしょうね。
わたしの宝物
宝物がなんなのか、わたしはまだ見つかっていないけれど、最近は自分の中でキーワードのようなものがポツポツ浮かびはじめていて、ワクワクしています。もしかしたらすでに持っているものなのかも。
この本を読む数日前、スペインのサンティアゴ巡礼路(キリスト教の三大巡礼地の一つである、サンティアゴ・デ・コンポステーラへと続く巡礼路)のことを知り、歩いてみたいなと思っていたところ、著書であるパウロ・コエーリョさんも歩いた道なのだと知りました。そして大きな影響を受けているとのこと。ただの偶然なんだけど、歩かねばという気持ちになっています。
宝物はいつも自分の近くにあって、旅がそれに気づかせてくれるのかもしれません。人生のフェーズが変わった時にまたこの本を改めて読んでみたいと思います。